ウォーキングコラム

2013年9月

健康寿命とロコモティブシンドロームを今から考える意義!

先月のコラムでもお伝えした「健康増進普及月間」。厚生労働省では、平成25年9月1日(日)から30日(月)までの1か月間を健康増進普及月間とし、食生活改善普及運動と連携した様々な行事等を実施しているようです。しかし、実際のところ、「健康増進普及月間」そのものの認知度は浅く、活発的に行事が行われ、全国的に広まっているかと言えば、まだまだという印象です。そこで、今月は健康寿命ロコモティブシンドロームのお話を交えながら、これからの健康増進について考えていきたいと思います。

平均寿命と健康寿命との差

我が国の平均寿命と健康寿命との差は、平均すると平成22年で、男性9.13歳、女性12.68歳もあります。
この数字を見て、あなたはどう感じますか?

そもそも、健康寿命の定義は、「日常生活に制限のない期間の平均」や「自分が健康であると自覚している期間の平均」が指標です。平均寿命から健康寿命を差し引いた期間は、日常生活に制限のある「不健康な期間」とも言い換えられています。もっと言えば、介護を必要とするかどうかが、“健康”と“不健康”の境とも言われています。

この健康寿命を延ばすことは、我が国の高齢化社会を背景に考えた場合、国や都道府県、市町村が健康施策を行う上で重要課題の中心となっています。例えば、病院での医療費負担は今と同じままでいつまで財源が続くのか。また、それを負担するのは誰なのか。特に20〜40代の若い世代が今を第一に生活を送ることも重要なことですが、一方で未来を見据えた生活や健康づくりをしていくことも社会貢献の一つであり、子どもや孫世代の財政的負担を減らす間接的な思いやりになる。そう考えていくことも、大切ではないでしょうか。

原因を知る!

こうした「不健康な期間」を避けるためにも、原因を知ることはとても大切です。

そこで、介護や支援が必要となった主な原因を調べてみたところ、脳卒中などの「脳血管疾患」や、「認知症」が上位で、それ以外にも膝や腰などの痛みからくる「関節疾患」や、骨粗しょう症や筋力低下などからくる「骨折・転倒」などが挙げられていました。

また、日本整形外科学会では2007年に、「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」という新たな概念を提唱しました。筋肉、骨、関節など体を動かす機能が低下し、要介護や寝たきりになった状態や、そのリスクが高い状態を、略して「ロコモ」と言います。

このような背景には、やはり「関節疾患」や「骨折・転倒」などの運動器の障害が増加傾向にあり、運動器の障害が深刻化することで、歩行や日常生活に何らかの不自由が生まれ、生活の質の低下を招きかねない恐れがあると言えるでしょう。だからこそ、積極的に体操や運動を取り入れるなど、生活そのものをアクティブにすることが重要です。

ウォーキングとはいえ、無理はいけません。今まで日常生活の一日の歩数が3000歩程度の人が、明日から1万歩歩こうと意気込む必要はありません。まずは、今より1000歩〜2000歩、時間にして10分〜20分増やすところからスタートし、段階的に歩数を増やしてみてください。一日の歩数の目安(健康日本21より)は、男性で9000歩、女性で8500歩です。65歳以上の人であれば、男性は7000歩、女性は6000歩です。

また、私が推奨する「スピードウォーク」もオススメです。スピードウォークとは、いつものウォーキングをもっとアクティブに歩き、スピードを高めた“速歩”のことです。いくらウォーキングが健康に良いからといっても、比較的負荷が低い運動ばかりでは効果が出にくいものです。

そこで、有酸素運動による心肺機能の向上や脂肪燃焼などだけでなく、全身の筋力を高める効果が期待できる「スピードウォーク」をオススメしています。これは、歩いている間ずっと速歩ということではなく、ウォーキング途中の1〜3分程度、慣れてきたら5〜10分、体力がついたら10〜20分と、体調や体力に合わせながら一定区間を早歩きするイメージで、半年から一年くらいかけて段階的に取り入れると良いと思います。

また、ウォーキング中のタイム計測もオススメしています。例えば、周回1キロのウォーキングコースを、1年前は10分かかっていたものが、今では8分で歩けるようになった。というようにタイムを計り、自分の歩くスピードを高めてみて下さい。毎日やる必要はありませんが、月に1回など定期的に計測することで、モチベーションを維持する効果も期待できます。もちろん、ご自身の健康状態にもよるので、医師と相談しながら健康には十分留意し、段階的に取り組んで頂きたいのですが、いつものウォーキングに「スピードウォーク」をプラスすることは、健康づくり・体づくりになること間違いありません。これからの時代は、ウォーキングをもっとスポーティに楽しみましょう!

「いつまでも自分の脚で元気に歩いて生活を送る」

誰もが願う元気な未来のために、今から出来ることをコツコツと、個々のレベルに応じた目標設定や段階的な取り組みを行い、そこから得られる感動や喜びから、また新たな楽しみを見つけ継続する。そうした積み重ねが、健康増進につながって行くと私は思います。

【参考】●厚生労働省「健康日本21(第二次)

【資料参考】
平均寿命(平成22年)は、厚生労働省「平成22年完全生命表」

健康寿命(平成22年)は、校正労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」



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